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2014年10月17日

ききみみ・・・昔話♪

ききみみあんこの今日のお話は~

三笠山

むかしむかし、木曽(きそ)の山中に、
天狗(てんぐ)が住んでいました。
 



天狗は毎日、御嶽山(おんたけさん)のてっぺんに寝そべって
富士山をながめては、
(わしの力で、あの富士山よりも高くて立派な山をつくりたいな)
と、考えていました。

 
そんなある日の事、天狗はこんな事を思いつきました。


(富士山よりも高くて立派な山を一から作るのは大変だが、
この山のてっぺんにほかの山を持ってきて三つ笠(かさ)のように並べたら、
きっと富士山よりも高くて立派な山になるに違いない)
 

そこで天狗は真夜中になると、形の良い山を探しました。
 三岳村(みたけむら)にやってきた天狗は、
倉越山(くらごえやま)に目をつけて、
ためしに倉越山を御嶽山(おんたけさん)のてっぺんに乗せてみました。
 すると、なかなかの良い出来です。




「よし、この分なら、夜明けまでには出来上がるだろう。
とりあえず、倉越山は元に戻してと」
 天狗はすっかり安心して、少し休むつもりで横になると、
そのままグーグーと眠ってしまいました。

 やがて朝が来て、
「コケコッコー!」
と、一番どりが鳴きました。
「しまった! もうそんな時間か!」
 天狗はあわてて飛び起きたものの、東の空はすでに明るくなっており、
おまけに朝の早い百姓に見つかってしまったのです。
 

ここあたりに住む天狗は、
人間に姿を見られてはいけない決まりになっています。


「もう少しで、富士山よりも立派な三笠山が出来たのに!」
 天狗はそう叫びながら山の方へ逃げて行き、
それっきり二度と姿を現わしませんでした。

 この時からこの山を、三笠山と呼ぶようになったそうです。



おしまい  


Posted by ききみみあんこ at 07:00Comments(0)むかしばなし