2014年05月30日

ききみみ・・・昔話♪

ききみみ今日のお話は~~~
ききみみ・・・昔話♪


 
月からの餅


むかしむかし、ある小さな島に、
男の子と女の子が二人で住んでいました。
 

二人は一日中遊んで、遊び疲れたら眠り、目が覚めたら
また遊ぶという毎日を過ごしていました。
 

食べ物は、夜の決まった時間に神さまが月から餅を
降らせてくれるので、それを拾って食べればよいのです。
ききみみ・・・昔話♪


 

男の子も女の子も、なぜ月から餅が降ってくるのか
考えたこともありません。
 

つきたてのやわらかな餅をお腹いっぱい食べて、
緑の美しい島をかけまわり、青く輝く海で泳いで暮らす毎日を
当たり前のように思っていました。

 
ききみみ・・・昔話♪




そんな、ある夜の事です。
 いつもの様に月から降ってきた餅を拾って食べていると、
ふと、どちらからともなくこんな事を話し合いました。


「ねえ、今まで食べきれない餅は捨てていたけど、
残しておけばお腹が空いた時に食べられるね。今夜から残しておこうよ」


「そうね。残しておけば、夜に餅を拾わなくてもすむわね。
餅の降る時間には、眠たいときもあるもの」
 


そこで男の子と女の子は、食べ残した餅を置いておくことにしました。
 
二人はいいことを思いついて、大満足でした。
 
ところが月の神さまは、二人の思いつきが気にいりません。


「毎晩毎晩、必ず餅を降らしてやっているのに、
とっておくとは何事だ。神を信じていないのか」
 

神さまは、それから餅を降らすのをやめてしまいました。
 
男の子と女の子は、あわてて月の神さまにお願いしました。
ききみみ・・・昔話♪




「神さま、神さま、月から餅を降らせてください」

「神さま、お腹が空いて倒れそうです。今までの様に、餅をください」
 

けれど月から餅が降ってくることは、二度とありませんでした。

 男の子と女の子は次の日から海へ出て、
貝や魚をとって食べるしかありませんでした。
ききみみ・・・昔話♪


 

もう今までの様に、遊びたいだけ遊ぶ暮らしは出来ないのです。
 

二人はお腹が空くことなど知らなかったむかしをなつかしみ、
そして初めて神さまに感謝しました。

おしまい


当たり前のように与えられたものには

感謝の気持ちがわくことはないのですね。




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Posted by ききみみあんこ at 18:15│Comments(0)むかしばなし
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