2015年12月11日
【うつ病? その症状は男性更年期障害かもしれません 】ききみみあんこのこんな記事見つけました!

うつ病?
その症状は男性更年期障害かもしれません
JBpress 12月11日(金)6時10分配信
「更年期は女性特有のもの」そう思っている人が多いのではないだろうか。
しかし、男性にも更年期はある。働き盛りの40代~50代の中高年、
そして定年退職を迎える60代前後に現れる心身の不調。
問題は、本人もその症状を自覚しにくいことだ。
そこで、メンズヘルスクリニック東京の小林一広院長を訪ねた。
前篇では男性型脱毛症(AGA)について紹介した。
今回は、同じく小林氏のクリニックで治療が行われている
男性更年期障害について話を聞く。
■ じわじわくる男性更年期
更年期障害は、性ホルモンの低下によって起きる症状だ。
女性の場合、閉経を境に急激に性ホルモンが変動する。
この大きな変化に身体が一時的についていけなくなり、
自律神経の失調等を伴い、さまざまな不調が生じる。
「女性の更年期はよく知られていて、
症状も比較的分かりやすいものが多いです。
性ホルモンが低下していっても、いずれはその状態に慣れてしまいますので、
80歳のおばあちゃんで更年期障害が治っていないという人はいませんよね」
これに対し、男性の場合は急激に顕著な症状は生じないものの、
徐々に変化が現れる。
「加齢に伴い男性ホルモンの量が低下していくと、
「男らしさ」のガス欠状態に陥ってしまいます。
やる気が起きない、元気がない、意欲が出ない、
ネガティブになるなど、うつ病にも近い症状が現れてきます」
男性更年期がクローズアップされるまでは、
ほとんどの症例はうつ病として扱われていたと小林氏は話す。
■ 混同されていた更年期障害とうつ病
うつ病は脳の神経の伝達系における障害であり、
男性ホルモンの低下に伴う更年期障害とは明らかに原因が異なる。
しかし、その症状が非常に似ていることから、かつては混同されていたという。
これまで男性更年期の概念が定着していなかった理由の1つには、
血液中に微量しかないホルモンの、わずかな変化を捉えられなかったことにある。
しかし、ドーピング検査の精度が格段に上がっているように、
ここ数十年の技術進歩により男性ホルモンの微量な差を計測できるようになってきた。
これにより、かつては「うつ病」と診断されていた症状も、
「男性更年期」と区別できるようになり、
男性更年期の治療法も体系だってきていると小林氏は話す。
実際に、「うつ病」と診断されて治療をしても改善しなかった人が、
男性ホルモンを補充するような治療をしたことで、
症状が改善したケースもあるという。
■ うつ病とLOH症候群を見分けるポイント
LOH(late-onset hypogonadism)症候群こと
「加齢男性性腺低下症候群」は、40代以上の中高年になると増え、
中高年男性の6人に1人と言われている。
総務省によれば、40~90歳以上の日本人男性の人口は3400万人に達するため、
LOH症候群の潜在患者は600万人にも上ると見られている。
「男らしさのもと」となるテストステロンは、「勝者のホルモン」とも称され、
競争に打ち勝つための集中力と自信を高める働きがあると考えられている。
テストステロンの95%は睾丸で、5%は副腎で産生されている。
LOHとは、加齢に伴う精巣の機能低下のことであり、
テストステロンが減少することで、性欲だけでなく意欲も減退する。
そのため、「やる気が起きない」「気分が沈む」「燃え尽きた感がある」といった
気力の低下、意欲減退の症状が現れる。
前述の通り、これらの症状はうつ病に非常によく似ているが、
見分けるポイントがあるという。
それは、うつ病では多くの患者に見受けられる「食欲減退」が、
LOH症候群ではあまり見られないことだという。
ただし、場合によってはうつ病が先に発症し、体に変調が生じることで、
ホルモンバランスが崩れ、男性更年期になるケースもあるそうだ。
やはり自覚症状がある場合は、専門医の診断を受けることが望ましい。
LOH症候群と診断された場合、
保険適用のホルモン注射治療を受けることが可能だ。
また、「保険適用外になりますが、当院では、
塗り薬やジェルタイプなども、オリジナルで用意しています」
ちなみに、テストステロンを補充することに対し、
男性型脱毛症(AGA)のリスクが上がるのではないかと心配する人もいるかもしれない。
だが、AGAのメカニズム(詳しくは前篇をご参照ください)からしても、
その心配はないと小林氏は話す。
■ 歳を重ねることを悲観しないこと
精神的な症状はときに「気持ちの問題」だと片づけられ、
本人や周囲も疾患としての認識を持つことが難しいかもしれない。
特に男性の場合は、徐々に男性ホルモンが減っていくからこそ、気づきにくいのだ。
だが、年齢とともに性ホルモンが低下することは避けられない。
アンチエイジングというと、加齢に抗わなければいけないような気もしてしまうが、
小林氏は最後にこう話した。
「内面と外見のバランスがとれた状態が大切だと思います。
歳を重ねることを悲観したり、否定したりするのではなく、
残りの人生をより良く生きるために、心身の健康を長く維持していきたいですね」
堀川 晃菜