2015年01月30日

ききみみ・・・昔話♪

ききみみあんこの今日のお話は~

若返りの水
ききみみ・・・昔話♪



むかしむかし、山のふもとの小さな村に、
おじいさんとおばあさんが住んでいました。
 
おじいさんの仕事は、炭焼きです。

 山の木を切って、炭を焼いて俵(たわら)に詰めて、
近くの町ヘ売りに行くのです。
 
でもおじいさんは、この頃年を取って仕事が辛くなりました。
「ああ、腰は曲がるし、目はしょぼしょぼするし。
・・・嫌になってしもうたなあ」
ききみみ・・・昔話♪


 
その日もおじいさんは炭俵をかついで、
ヨタヨタと山を下り始めました。
 
とても暑い日だったので、喉がカラカラに渇きます。
 ふと見ると、道ばたに突き出た岩から、
きれいな水がチョロチョロと吹き出していました。

「こいつは、ありがたい」
 おじいさんは、その冷たい水を飲みました。
 とてもおいしい水です。

「ああ、うまかった。何だか腰がシャンと伸びた様だぞ」
 
おじいさんは水のおかげで元気が出たのだと思い、
深く考えもせずに山を下りて家へ帰ってきました。

「ばあさんや、帰ったよ」

「おや、早かったですね。おじいさん・・・!」
 
おばあさんはビックリ。
 目をパチパチさせて、おじいさんを見上げました。
 
いいえ、おじいさんではなく、
そこにいたのはおばあさんがお嫁に来た頃の、
あの頃の若いおじいさんでした。
ききみみ・・・昔話♪



「・・・わたしは、夢でも見ているんじゃあ、ないでしょうかね」
 
おじいさんもおばあさんに言われて始めて、
自分が若返っている事に気づきました。

「若返りの水というのがあると聞いていたが、
それではあれがその水だったんだな」
 

おじいさんは岩から吹き出していた、
きれいな冷たい水の事をおばあさんに話して聞かせました。


「まあ、そんなけっこうな水があるんなら、
わたしも行って頂いてきましょう」
 
おばあさんはそう言って、次の日さっそく山へ出かけて行きました。

 おじいさんはおばあさんがさぞかし若くきれいになって、
帰って来るだろうと楽しみにして待っていました。
 

ところが昼になっても、夜になっても、おばあさんは帰ってきません。
 
おじいさんは心配になって、村の人と山へ探しに行きました。
 
でも、おばあさんはいません。

「いったい、どこへ行ってしまったんだろうなあ?」
「キツネに化かされて、山奥へ連れて行かれてしまったのとちがうか?」
 
みんなが話し合っていると、
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「オギャー、オギャー」
と、そばの草むらの中から、
赤ん坊の泣き声が聞こえて来ました。
 
おじいさんが近づいてみると、おばあさんの着物を着た赤ちゃんが、
顔をまっ赤にして泣きじゃくっていました。
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「・・・馬鹿だなあ、ばあさんの奴。飲み過ぎて赤ん坊になってしもうた」
 仕方がないので、おじいさんは赤ん坊を抱いて家へ帰りました。

おしまい




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Posted by ききみみあんこ at 18:58│Comments(2)むかしばなし
この記事へのコメント
こんな水飲みたい・・・(^^ゞ
Posted by 工房ike工房ike at 2015年01月30日 19:33
ikeさん、わたしも・・・。
でも、楽器を握っている時は若いじゃないですか!!(*^_^*)
Posted by ききみみあんこききみみあんこ at 2015年01月31日 11:09
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    コメント(2)